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土地や建物の登記に関する専門家である土地家屋調査士は、年に一度行われる国家試験の一つになります。ここでは、試験の難易度、合格率を解説!受験を検討している方は参考にして下さい。
土地家屋調査士は、土地や建物が場所、形状などを調査、測量して図面作成、不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う測量及び表示に関する登記の専門家です。不動産登記業務のうち「表示に関する登記」(土地・建物等の現在の状況に関して国に届け出る登記のこと)を独占的に行えるよう、国から認められています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
H27(2015) | 4,568人 | 403人 | 8.82% |
H28(2016) | 4,506人 | 402人 | 8.92% |
H29(2017) | 4,600人 | 400人 | 8.70% |
H30(2018) | 4,380人 | 418人 | 9.54% |
R1(2019) | 4,198人 | 406人 | 9.67% |
調査士試験は毎年、4,000人以上の受験生の数になりますが、年々減少傾向にあります。合格率については、10%超えることなく8~9%で、過去2年間はわずかながら上昇傾向にあります。ただ、10人中1人も合格できない土地家屋調査士は、合格率から見る限り難易度が高い資格試験と感じられます。
性別 |
男性92% |
---|---|
学歴 |
大学卒72% |
受験時の職業 |
会社員・公務員・自営業等77% |
受験回数 |
1回12% |
受験指導校利用の有無 |
利用した92% |
計算や作図が必要
三角関数や複素数の知識が必要で、法令知識さえ知っていれば合格できるわけではないという点が、土地家屋調査士試験の難しいところです。
民法は、「総則」「物権」「相続」の分野から各1問ずつ出題
3問しか出題されない割に学習範囲がそれなりにあるので、時間が取られてしまう科目になります。既に他資格で勉強している方は良いですが、法律初学者にとっては難易度が高くなります。
出題のボリュームに対して試験時間が短い
午後の部は、午後1時から午後3時30分までの2時間30分です。この間に択一を20問解き、土地と建物の2件の申請書を書き、座標値や辺長・面積を求め、3つ以上の図(地積測量図、建物図面、各階平面図 etc)を作成しなければなりません。受験生のなかには、図面を描けずに終わってしまう方も多いようです。
筆記試験「午後の部」が難易度を引き上げている
調査士試験は、筆記試験合格後には、口頭試験がありますが、この試験では,毎年欠席者を除きほぼ全員が合格していますので、土地家屋調査士試験=筆記試験といっても過言ではありません。また、筆記試験のうち「午前の部」につきましては、測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士のいずれかの試験に合格していれば免除されることになっています。
そのため、ほとんどの受験生は、毎年5月に行われる測量士補試験に合格して免除を受けます。ですので、難易度を引き上げているのが筆記試験「午後の部」になります。
短い試験時間のなかで、問題に合わせて要求される知識や技術が求められるので、限られた時間内に解答するには、スピードと正確さが必要になります。十分な対策をしないままの受験では不合格が目に見えた試験で、それがまた、合格率の低さの要因と考えられます。
賃貸不動産経営管理士、宅地建物取引士(宅建)、管理業務主任者、マンション管理士よりか難易度が高い試験になります。そして、士業のなかでは行政書士より難しく、社労士と同等ぐらいの試験になります。また、税理士や公認会計士、不動産鑑定士よりかは、調査士の方が難易度が易しく合格しやすくなっています。
業務独占資格にあたる土地家屋調査士の難易度は、以前は4%~5%台のころもありましたが、過去5年間は8~9%とやや上昇傾向しています。とは言っても10%を切る合格率になりますので、調査士試験は、難易度が高い国家資格に値します。また、受験回数1~2回の合格者は3割強、7割弱の方は3~5回以上のチャレンジで合格しているのが実情です。
ただし、受験生の8割近くが会社員・公務員・自営業など社会人が多く、合格者の平均年齢は40歳になります。仕事と両立して資格取得しているのが実態で、限りある時間のなかで合格力を身につける必要があります。一発合格、短期学習で合格するためには、スキマ時間を有効に活用し、効率的に勉強する必要があります。
働きながらでも資格取得している人が多くいますので、しっかりと試験対策すれば、難易度の高い調査士試験も合格することができます。